IR(投資家情報)

乾汽船/はじめての中期経営計画
~今を生きる、明日を生きる~

乾汽船と中期経営計画について

2014年10月、外航海運業を営む旧乾汽船と、倉庫業・不動産業を営む旧イヌイ倉庫は経営を統合しました。約2ヵ年半の時間を経て、今般、2017年4月から2020年3月までの3ヵ年を対象とする、はじめての中期経営計画を策定しました。

想定外の厳しい外航海運不況に見舞われる中、我々は、今を生きることに専心せねばなりません。
その目的は、明日を生きることです。
2つの会社が、1つになれたから出来ることがあります。


事業環境について

小型ばら積み船の需給は2019年までに均衡し、投下資本に見合う運賃市況まで回復すると想定しました。当社事業は、市況の回復を待つだけでなく、営業チャネルの拡大と新規顧客の獲得、日々の安全運航を支える機能の強化に抜本的な指針を必要としています。

倉庫・運送業は、高度先進の物流業者の台頭に加え、内需の縮小傾向に影響され、弱者敗退を迫られつつあります。当社事業は新規顧客の獲得を必要としていますが、既存顧客の課題も大きく、より厳しい環境に対応できる新たな方策を必要としています。

2020東京五輪は、当社事業の中心である勝どき・月島の隣接エリアに新しい街を創出させます。広域エリア間の競争では優位性が増していく可能性が高いですが、エリア内での競合や競争に敗れないよう、長期的な再整備方針を定め、魅力ある街づくりを準備する必要があります。

経営の基本方針について

①資産の力を事業の力に

勝どきの不動産施設は収益力と資金調達力に優れた資産です。中長期の視点で、景気波動の異なる船舶、倉庫の資産を組み合わせます。単一事業の変動から影響を受けにくい、可変性のある資産ポートフォリオを形成することで、事業の基盤を支え、競争力の源としていきます。

②カイゼンは宝

環境変化への即応は難しいですが、PDCAサイクルを前提とした当社のカイゼンは、ムリなく、ムラをならし、ムダを取ってきた実績があり、企業文化として育ちつつあります。倉庫内から始まったカイゼンはオフィスを経て、船の上にも広げていきます。

③「らしさ」の追求

経営統合により、混ざり合った企業文化は、内外環境の激変に晒され、多くの独自性を含む「らしさ」へと向かっています。3つの事業領域、2つの企業文化、1つの会社の「らしさ」は、差別化の源泉であり、我らの存在意義です。

3セグメントとコーポレートについて

①外航海運事業

検討を重ねてきたファイナンス手法は、運賃市況が低位にある環境下での船舶投資を可能とします。資本の効率性に着目した船舶のアセット戦略に加え、船舶管理体制や安全運航施策等の運営戦略、機会取得の営業戦略で海運実務の質的カイゼンに取り組んでいきます。

②倉庫・運送事業

手・足・倉をカイゼンで鍛え続ける努力は怠りません。しかし、それだけでは、次代に通用する倉庫業には届きません。実績と信用を重ねてきた同業者間のネットワークは、立地優位性のある既存倉庫に存在します。この経営資源を最適活用する協業モデルに取り組みます。

③不動産事業

勝どきの施設群が、資金調達力と収益力という重要な役目を長期安定的に果たすには「良い街」を目指す視点が必要です。2020年以降、隣接エリアは新しい街へと姿を変えていきますが、我らは周りを良く見ながら、余剰容積を有する施設の再開発計画を始動させます。

④コーポレート

コーポレート関連部署は経営と一体になったコミュニケーション密度の高い環境を維持し、常に小さく、速く、を目指しています。複雑さを取り除き、透明性と効率性を同時に満たす施策と自主性を重んじる職務の環境整備を推進します。

配当について

業績不振時に、安定配当に拘ることは、経営基盤の毀損につながります。今後の配当政策も「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」方針ですが、良いとき、悪いときの基準を定めます。悪いときには減配もあり得ますが、無配は前提とせず、良いときは配当性向の累進を提案します。本計数計画の最終年度は、純利益は19億円(ROE=10.3%)の「良いとき」を想定しています。

最後に

想定を超える海運大不況は厳しくつらい時間です。本計画は、3ヵ年以内に海運市況が回復することを前提としました。


そして、不況を乗り切り、成長するための自助努力を、経営の基本方針をはじめ、各々の施策として纏めました。


我らは、誰にも似ていないカタチだからこそ、「らしさ」を追い、価値ある独自性を発現することで、今を生き、明日を生きます。

ステークホルダーのみなさま方、どうぞ、よろしくお願い致します。